【ウイルス講座】なんとなく混同しがちな「ウイルス」と「細菌」・・・知っておくべき違いとは?

皆様こんにちは!
今日も今日とて、ウイルスをお話をしようと思います。
今回のトピックは、「ウイルス」「細菌」の違いについて。

“なんとなく”違うものだと理解していても、その扱いについては”なんとなく”同じになってしまいがちではないでしょうか?

実際この二つは、根本的に異なるために、感染してしまった時の対処方法も違います。

というわけで、毎度申し上げておりますが、感染症について正しく理解して初めて正しく対策を行えるということで、今回もお勉強をしてまいりましょう☆

「ウイルス」と「細菌」の違いとは?

ウイルスと細菌が異なるものだということは、すでにご存知の人がほとんどではないかと思います。
ただ、「何がどう違うのか?」や「日常生活においての影響は?」など、気になる疑問がたくさんあるかと思います。

違いを知るために、直接比較をしてみます。

ウイルス 細菌
大きさ
細菌・ウイルス大きさ比較

菌は、1mmの1/1000の単位【μm(マイクロメートル)】が使われる。
ウイルスは、μmの更に1/1000の単位【nm(ナノメートル)】が使われる。
構造 ■ 細胞が「ない」
■ たんぱく質の外郭(カプシド)と、内部に遺伝子(DNAとRNA)だけで構成される単純な構造なため、自己複製する仕組みを持っていない
■ 栄養を摂取して、エネルギーを生産することはない
■ 細胞が「ある」
■ 一つの細胞しかない単細胞生物で、細胞分裂することで自分単体で複製できる
増殖方法 単独では増殖できないため、生きた細胞の中で、不足する機能を補ってもらい増殖 適度な温度で、水や栄養があれば、自分自身だけで増殖できる
感染予防対策 ■ 清潔に保つこと(手洗いうがい)
■ 免疫力を下げないこと
 ・栄養バランスの良い食事
 ・運動・基礎体力
 ・規則正しい生活・睡眠
 ・ストレスを溜めない
■ ワクチンの利用:弱毒化・無毒化した菌やウイルスを体内に注入することで、あらかじめ免疫をつけておき、実際にウイルスを取り込んだ時の急激な増殖を防ぐ
治療方法 細菌とは違い、細胞を持たないため、抗生物質が効かない。また、ウイルスは構造が単純すぎるため、ウイルスだけを攻撃する薬を作ることが難しく、対策が困難。
ただし、一部のウイルスに対しては、ウイルスの増殖を抑える抗ウイルス剤がある。
一般的にペニシリンなどの抗生物質が細菌の細胞を攻撃することができる。
ヒトの細胞と細菌細胞は細胞の構造が違うため、抗生物質はヒトの細胞は攻撃せず、細菌の細胞だけ攻撃することができる。
インフルエンザウイルス、ノロウイルス、コロナウイルス など。一般的な風邪(普通感冒)はさまざまなウイルスによって引き起こされる。 大腸菌、黄色ブドウ球菌、結核菌 など。

【治療方法】菌も怖いけど、さらに怖いウイルス。

上記比較表からもお分りいただける通り、ウイルスと菌の決定的な違いは、体内に取り込まれ罹患した場合の「治療方法」の違いです。

菌には、ある程度『抗生物質』の効果があるのに対して、ウイルスにはそういった特効薬がありません。
このため、ウイルス感染症を治療するためのお薬は、個別のウイルスに対して一つ一つ作らないといけません。

構造が単純すぎるがゆえに、特異性がなく、人の体に影響なくウイルスだけをやっつけるためのきっかけがないという厄介なヤツです。
実のところ、まだ治療薬の確立できていないウイルス感染症もあるんです・・・。

だからこそ、『体内に取り込まないこと』がいかに重要かご理解いただけるかと思います。

感染予防のために。

病気にかからないためにはどうすれば良いのか、皆さまその答えを求めてらっしゃることと思います。

上の表ではあえて当たり前のことばかり書かせていただきました。
これは決して適当に書いたのではなく、「”全ての菌・ウイルス”に対して有効な予防方法はない」ということが結論だからです。

感染経路ごとの対策、また菌・ウイルスごとの対策が必要となるということです。

基本的な感染予防対策としては、絶対に「手洗い・うがい」です。
手や指に付着している菌・ウイルスの数は、流水による15秒の手洗いだけでも1/100に、石けんやハンドソープで10秒もみ洗いし、流水で15秒すすぐと1/10000に減らすことができると言われております。

手洗いうがい

これで、接触感染のリスクを減らします!
一番安全、かつ簡単にできる感染予防対策なので、皆様が必ず行なっていただければと思います。

そのほかには、空気感染、飛沫感染、経口感染の3つがありますね。
飛沫感染と空気感染に関しては、以前の記事で少しお話しております。

ぜひ併せてお読みください☆

最近よく聞く『エアロゾル感染』とは?飛沫感染とは違うの?

「薬剤耐性菌」や「変異型ウイルス」なども次々と出てきて、人間の対策に対抗してきますので、感染症との戦いは終わりが見えません・・・。

菌に効果があるなら、ウイルスにも効果がある?

最後に、ここまで何度も言ってまいりました、ウイルスと菌は根本的に異なるものだということ。
構造も生態も・・・。(ウイルスはそもそも非生物なので生きていませんが。)

なのにも関わらず、一括りに菌もウイルスも同じような認識になってしまっていると感じます。

菌に効果があるなら、ウイルスにも効果がある。
こともありますが、必ずしもそうではないと知っていただき、「どの対策なら何に適しているのか」を適切にご判断いただければと思います。

菌への効果を謳うことでウイルスへの効果を錯誤させようとする商品なども存在します。
内容を記載のまま信用するのではなく、「どういう効果があるのか?」、「どういう仕組みなのか?」を気にしてみてみると良いかもしれません。

科学っておもしろいので、原理を気にしてみてみると、案外楽しいですよ!(^○^)

Follow me!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です